社会課題
への挑戦
Challenges of Social Issues
01
人生100年時代。
これからの保障とは
どうあるべきか。
年々延び続ける日本人の平均寿命。
現在、100歳以上の高齢者人口は約9.2万人となり、2049年には50万人を超えると予測されています。
医療の高度化によって病気になっても長期生存できる一方、懸念されているのは「老後の期間」が非常に長くなること。
高齢者の一人暮らしや夫婦のみで生活する人も多い中、JA共済連として
新たな保障の仕組みを創出するだけではなく健康寿命を延ばすための取り組みも求められています。
JA共済連の取り組み
健康増進に寄与するサービスを
提供し、
豊かな生活づくりを
サポートしています。
老後の期間が長くなる人生100年時代の到来を見据えると、「健康であること」「事故に遭わないこと」がより一層重要となります。そこで、組合員・利用者や地域住民の皆さまの「げんきなカラダ」づくりを総合的にサポートする「げんきなカラダプロジェクト」を令和3年4月より開始しています。その一環として実施している「オンラインウォーキング大会」は「JA共済アプリ」の歩数計機能を活用し、歩数に応じてキャンペーンに応募できるイベントとなっており毎年多くの方に参加いただいています。
ほかにも、「ひと・くるま保障」のご契約者を対象としているスマホアプリを活用した「脳年齢チェック」や、健康診断結果を入力することで自身の現在のリスク年齢や将来の入院・疾病リスクなどを確認できる「検診結果チェック」サービスなども提供しています。これからも組合員・利用者の健康増進に役立つ様々なサービスを展開していきます。
時代に合ったサービスを提供することで
健康予防・増進活動を習慣化してもらいたい。
永井 悠貴
全国本部 開発部
開発企画グループ
2016年入会
共済による保障は経済的な観点から組合員・利用者を支えるものですが、このようなサービスは「豊かな暮らし」を創出するという観点から支えるものです。人生100年時代において健康であり続けるためには、毎日歩くことやご自身のからだの健康チェックなどを習慣化することが大切です。イベントやサービスの利用を通じて健康増進につながる日常を習慣化してもらうのが私たちの役目。今後も時代やニーズに合ったサービスを展開することで組合員・利用者に貢献し、そしてJA共済の信頼性やブランド力向上に努めていきたいと考えています。
02
頻発する大規模災害に
どのように備え
立ち向かえばよいか。
地震や台風による自然災害が毎年のように発生し多くの人々に損害をもたらしています。
これまで大きな災害が発生していない地域においても、
今後、いつ、どのような自然災害が発生するかわかりません。
そのため平時から「もしもの時」に備え、防災・減災に向けた活動や
被災地救援・復興支援活動などを想定した事前の対策や準備が求められています。
JA共済連の取り組み
自然災害が発生した際は
組合員・利用者に迅速に
共済金をお支払いするための
体制構築を進めています。
自然災害に向けてJA共済連が取り組んでいることは大きく二つあります。一つは、南海トラフ地震をはじめとする大規模な自然災害を想定した「事前計画の策定」です。電力停止や通信障害などのインフラ破綻、現地職員の被災に伴うリソース不足など、あらゆる事態を想定し、限られた経営資源をいかに投資することでより良い効果が得られるのか、他団体・他企業とも連携しながら各種対応策の検討を行っています。
近年は人工衛星技術などを活用して水災の被害状況を確認する研究も進めており、最先端テクノロジーを活用した備えも化しています。二つ目が、実際に自然災害が発生した際の「迅速・的確な対応」です。1995年の阪神・淡路大震災では1,188 億円、2011 年の東日本大震災では9,376億円、2016 年の熊本地震では1,487億円の共済金をお支払いした実績(いずれも「いえの保障」)を持つなど、有事の際には全国のJA・連合会職員が一丸となって組合員・利用者に安心をお届けしています。
迅速な共済金支払いの備えはもちろん、
人に寄り添うハートも広く浸透させていく。
國方 颯人
全国本部 業務部
建物共済グループ
2022年入会
自然災害に遭われた方々は、2次被害への不安や避難所生活での不安など生活を維持していくだけでも山積みの不安を抱えておられます。そのような組合員・利用者の方々に対して少しでも早く「生きる希望」をお届けすることが私たちの役割です。そのためには迅速な共済金支払いはもちろんですが、JAグループの全国ネットワークを活かして被災者に寄り添い「心の支え」になることも大切な責務の一つ。共済金支払いの事前計画を全国へ浸透させていくと同時に、人に寄り添うハートも広く浸透させていくことが大切だと感じています。
これまでにない自然災害に対応するため、
災害対策にもイノベーションを起こし続ける。
長妻 憲ニ
全国本部 業務部
プロジェクト管理グループ
兼 建物共済グループ
2008年入会
近年の気候変動による線状降水帯やゲリラ豪雨の多発など、近年の日本ではこれまでになかった自然災害も発生しています。特に水災による被害は被災地へのルートが遮断されてしまうことも多いため、被災状況の調査が遅れて共済金支払いが滞ってしまうなど、組合員・利用者の不安を増長させてしまうことが大きな課題となっていました。そこで、現在力を入れて取り組んでいるのが人工衛星や地図情報等を活用して、現地に入ることができない状況でも、被災した範囲等を解析する取り組みです。自然災害の変化とともに災害対策を進化させていくことも、私たちの重要な役割だと考えています。
03
年々低下する食料自給率。
どうすれば地域農業は
活性化するだろうか。
2015年に約198万人だった農業者数が2020年には約152万人に減少するなど
全国規模で見ると農業従事者は減り続けています。
農業者の減少は日本の食料供給の不安定化や農村コミュニティの衰退など
様々な問題を引き起こしかねません。
JAグループの共済事業を担う私たちにとって持続可能な農業に向けてどのように貢献するか。
まさに喫緊の課題ともいえます。
JA共済連の取り組み
農作業の安全啓発活動
などを通じて
農業の持続性確保に
つなげています。
農業は「生涯現役」の仕事ではありますが、毎年300件前後の農作業中の死亡事故が発生し、就業人口10万人当たりの死者数も増加傾向にあり、他産業との差は拡大しています。中でも重大事故につながりやすいのが農業機械での作業中に発生した事故です。
このような農業リスクを軽減するため、JA共済連では「農作業事故体験VRを活用した学習プログラム」を農業研究機構と共同で開発し、事故を未然に防ぐための啓発活動を推進しています。この学習プログラムは農業従事者だけではなく未来を担う農業高校の学生にも体験してもらうなど全国で展開しています。この体験VRは事故未然防止の有用性が高く評価され、2020年度にグッドデザイン賞を受賞しました。このような活動を継続・拡大することで農作業の安全確保につなげ、さらに農業の魅力もあわせて発信し、新規就農者の増加につなげるよう取り組んでいます。
様々な危険リスクを自分事化してもらい
農業の素晴らしさを実感してもらう仕事。
伊藤 仁美
全国本部
農業・地域活動支援部
地域貢献運営グループ
1992年入会
地域貢献運営グループでは、農業事故未然防止をはじめ防災・減災に向けた活動や交通事故未然防止に向けた活動などにも取り組んでいます。特に防災・減災活動では過去に発生した地震の揺れを体験できるJA共済オリジナルの学習型プログラムを開発し、地震に備える必要性を再認識してもらえるイベントを実施しています。また、「JA共済マルシェ」を定期的に開催するなど農業の魅力を身近に感じてもらうための活動にも取り組んでいます。これらは社会に生きる私たち一人ひとりにとって身近なテーマです。これからも若い人の発想を取り入れながら活動を拡大していきたいと考えています。
地域貢献は答えがなく、終わりもないからこそ
日々アンテナを張って情報をアップデートしていく。
山﨑 勝也
全国本部
農業・地域活動支援部
地域貢献運営グループ
2014年入会
地域貢献は成果が見えにくい活動であり、社会情勢によってニーズもどんどん変化します。どのような地域貢献活動が求められているか、どのように活動するべきか他の企業や自治体などの話を伺いながら情報をアップデートし続けることが大切だと感じています。また、このようなイベント活動は一回実施したら終わりではなく、やり続けることに意義があります。活動を通じて接する地域の人たちがどのようなリアクションをするか間近に見えるのはとても勉強にもなります。「誰かのために、まだやっていないことをやろう」というモチベーションが地域貢献活動に活かされています。
04
助け合いの輪を世界に
広めるにはどうしたらよいか。
世界では今、発展途上国を中心に経済的、社会的、環境的な持続可能性の危機に見舞われています。
そこで、JA共済連では人類のニーズと公益性を中心に据えた
「協同組合」の価値を世界に推進することで、人々の暮らしや福祉の向上につなげます。
JA共済連の取り組み
「協同組合」の価値や役割を
世界に広く伝えるとともに
国内外の協同組合間の連携により
新たな価値を生み出します。
国連は2012年を「国際協同組合年」として定め、世界全体で協同組合の社会的認知度の向上、協同組合の設立・発展の促進、そのための各国政府、関係機関への働き方に取り組んでいます。また、2016年には「協同組合」がユネスコ無形文化遺産として登録されました。JA共済連は、国内では日本協同組合連携機構(JCA)の会員として、海外では、国際機関である国際協同組合同盟(ICA)、およびその共済・保険部門である国際協同組合保険連合(ICMIF)の会員として総会や各種委員会を通じて活動に参加するとともに、ICMIFの地域協会であるICMIFアジア・オセアニア協会(AOA)においてはJA共済連の理事長が会長を務めており、AOA事務局を担っています。
JA共済連は、ICMIF会員の中で事業規模1位を誇る共済団体です。引き続き協同組合活動の認知向上のため世界に向けて各会員の取り組みを発信し、一方でそれぞれの会員価値向上のため会員同士の連携を図ることに取り組んでいます。
協同組合の世界的な発展が平和にも寄与し
人々の暮らしや福祉の向上につながる。
松浦 竜也
全国本部 総務部
協同組合連携グループ
1999年入会
国や地域によって歴史、文化、経済の発展が異なるように、協同組合も国や地域によって多様なかたちで発展してきました。協同組合運動に参加する10億人をはじめ世界の人々との交流を通じてお互いの経験を共有し、学びあうことは人と人とのつながりを大切にする協同組合組織にとって非常に意義があります。隔年で開催されるICMIF総会やAOAセミナー等の国際会議においては、世界各国の会員による優良な取り組み事例が共有されるとともに、若手職員を対象としたヤングリーダーズプログラムでは、各会員の経営幹部との円卓会議や若手職員同士の交流機会が設けられています。これからも協同組合運動が世界的に発展するよう様々な施策に取り組んでいきます。
05
2030年までに
「誰一人取り残さない」
世界を実現するために。
2015年に国連サミットで採択されたSDGs。
世界各国で様々な取り組みが進められている中、JA共済連では共済事業を通じて
組合員・利用者の健康で豊かな生活への貢献、安全・安心を実感できる地域社会づくり、
持続可能な農業への貢献、地球環境への貢献などを目的として様々な活動に取り組んでいます。
JA共済連の取り組み
「相互扶助」の理念そのものが
SDGsの実践であり、
これからも地域社会の
持続可能な発展に取り組みます。
JA共済連は、理念である「相互扶助」を事業活動の原点として「ひと・いえ・くるまの総合保障」の提供や、様々な地域貢献活動を通じて組合員・利用者や地域住民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会づくりを目指しており、このような取り組み一つひとつがSDGsの実践そのものであると考えています。
SDGsのゴールとして定められている「2030年」は目前まで迫っていますが、私たちJA共済連の社会課題への取り組みはそこがゴールではなく、将来にわたって組合員・利用者、地域住民に安心と満足を提供し続ける必要があります。
SDGsを事業戦略として捉えることで
組織としての持続可能性を高めていく。
高橋 亮
全国本部. 経営企画部
事業連携・SDGs推進室
事業連携・
SDGs推進グループ
2006年入会
JA共済連の事業基盤である農業と地域社会においては、地球温暖化の進行による作物の生育への影響や地方・農村部の人口減少による地域コミュニティの維持が難しくなるといった様々な社会課題が顕在化しつつあります。SDGsは社会貢献の取り組みとして捉えられがちですが、JA共済連としてこのような社会課題に対して長期的な視点で事業活動の一環として解決に取り組むことが重要です。そのために、私たちは、組織としてどうすべきか、事業として何ができるのかについて、日々考え、取り組みを進めています。
社会構造の変化を予測した戦略を立案し
職員一人ひとりの働く意義を明確化する。
澁谷 京多郎
全国本部 経営企画部
事業連携・SDGs推進室
事業連携・
SDGs推進グループ
2009年入会
農家・組合員や地域社会が抱えている社会課題を洗い出し、どのような形で貢献できるのか、JA共済連として明確な方針を打ち出すことは、組合員・利用者への「安心」と「満足」の提供はもとより、職員一人ひとりの業務に対する意識付けにも関わってきます。2040年や2050年、さらにその先の未来で活躍するのはこれから入会する若い世代の方々です。彼らが迷いなく想いを持ちながら業務に取り組むための方針や戦略を立案すること、それが私たちの果たすべき役割です。